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2018-10-09

デザインを問題解決にいかす


人との信頼を大事にしてきた


 

私の専門「人対人」のセラピストも、日々どのようにしたら、来店して頂いているクライアントに対して、サポートができるか。

何か、これまでの手技の創案や経験とデータといった試行錯誤して積み上げてきたプロセスや、施術システムの応用を、誰しもある「個人」の心身的問題解決やライフスタイル・環境の改善の役に立てないかと常に模索しています。

それは、ボディケア、つまり手技をほどこし、施術をするセラピストはただ、体に触れるだけでなく疲労した体を癒し、改善することにより精神的な繋がりを持ち、信頼関係をクライアントに関して、長い年月をかけて築いていくからです。(施術者の技量やマッサージ手技だけの施術を除く)

先日、cccメディアハウスから出版されている「pen」を読んで、オランダのアントホ―フェン市役所が積極的にデザイナーを職員に採用しているという記事のページがあり、専門的な領域が他の問題解決に役立つという事例がありました。

この本は内容や写真が好きなのでたまに買います、内容をシェアしたいと書きました。

 

まず、この記事のアントホ―フェン市役所、戦略的デザインコンサルタント、
フェラ・ウィントハーゲン氏が語る

課題解決の方法としての原則を引用します。

 


デザイン的な思考、5つの原則
p34-


1、問題の領域を拡大して考える

目の前にある問題が真の問題なのか、領域を広げてあらゆる可能性を探り、何を鑑賞すべきか考える、外部の人を交えてグループでディスカッションをするとより効果的。

2、直観やフィーリングを大切に

客観的で冷静な視点は大切だが、意識的に認知できるのは全体の一部。直観を使うことで、意識よりも広く物事を捉(とら)えることができるため、わかりにくい問題を考える時の役立つ。

3、行動することから学ぶ

実際の経験から学ぼう。失敗してもそこで体験したことが新しい基準を生み出す。何かを行う最中、そして終了後に自分の行為や思考、体系んを振り返り言語化してみるといい。

4、プロトタイプをつくる

始める前の熟考するより、あまり時間をかけずに、たくさんのプロトタイプを作ってみよう、実際にカタチにして試してみることでしかわからないことがたくさんある。

5、参加してもらう

取組みの途中の段階でエンドユーザーにも参加してもらうことで、結果への理解や、取組みをサポートする気持ちが生まれる。立場が異なる人々にヒヤリングすることも有効。

アントホ―フェン市役所
戦略的デザインコンサルタント
フェラ・ウィントハーゲン
1977年オランダ、アムステルダム生まれ、デザイン・アカデミーアイントホーフェン卒業。

・・・・
アイントホーフェン(オランダ語:Eindhoven)は
公式ウェブサイト : http://www.eindhoven.eu

オランダ北ブラバント州にある基礎自治体ヘメーンテ)で、ドメル川沿いにある南部を代表する工業都市である。オランダ第5位の人口を擁する都市で、周辺の自治体を含むアイントホーフェン都市圏の人口は70万人に達する。


行動することから学ぶ


上記、3の「行動することから学ぶ」とう事は、私が主催する一般社団法人心身健康研究所でも同じ考えで、多く情報の実態を知ることがなく、2次、3次情報から入ってくるという点が、現代では頻繁にあります。

よっぽど興味と探究心が無い限り、情報を摂取し、それが頭に残ってしまって、なんとなく知ったような気分の積み重ねになっている。

「情報は多いが本当に欲しい内容は、時間をかけた割につかんでいない。」

こんな事がよくあるんです。でもこれを意識するだけでも、情報の受け取り方が変わります。

アイントホーフェンは、2015年からデザイナーを市の職員にとして採用している


この記事の要点として、戦略的デザインコンサルタントフェラ・ウィントハーゲン氏は

>市や検察庁などの公共機関でプロジェクトを牽引してきた

>デザイン思考と呼ばれる方法論創案し

>課題を見出し、解決していくこと。さらに実践やワークショップを通じてデザイン思考を浸透させている

>地域の実態調査を兼ねて住民の活動と行政の関係性を考察するプロジェクトを行い、統計上では問題がなかった

しかし、賃貸が多い住宅地が対象の地域で、異なるタイプの住民にていねいな聞き取り調査をすると独居老人や移民の増加などから、多くの住民が将来の不安や現状への不満を抱いていることがわかり、その結果を写真やイラストでわかりやすく図解した。「住民の体験一覧表」を作成した。

 


具体的には彼女のチームは・・


1、どんな人が、どんな場所で不満や困難を感じるか、各住民と地域の関係性はどのようなものか、わかりやすく可視化
→現状の把握

2、これを地域の人々とシェアして理解を深めた結果、住民が集う公共の場をつくったり、教師経験のある人が移民のためのオランダ語の授業を始めたりと、住民感でサポートしあうボランティア活動スタートした。

→情報の共有・実際の行動・次の段階へのチャレンジ

3、住民主導の活動を立ち上げる際に行政がどのような役割を果たせるかを考える好機になったという。
→行政の役割の具体化とこれからの活動への応用化という資産

このような、課題解決プロジェクトが立ち上がった背景として、今回の「pen 」には深く掘り下げられていないが、統計上問題がなった地域に関し「実態調査」が起こった背景としてオランダが抱える移民の問題があるのではないかと私は考える。

 

日本では、まだ現状法整備の制定などに課題がある移民の問題。

この記事の背景には、オランダは昔から海が近く、平たんな土地で絶えず、移民や外国から行き来があり、人種、国籍、宗教が現在でも社会的な課題となっているからだろう。
これから人口が減っていく日本では本当に考えられないほどの、人種が共存しているのだ。
オランダは、長い間挟まれた大国の侵入を受け、その傘下にあった。ローマ帝国・フランク王国の後は、神聖ローマ帝国の一部だった。15世紀からオーストリアのハプスブルク領となったが、帝国分裂後は、カトリックのスペイン・ハプスブルク領に属した。宗教改革後、プロテスタントが主流のネーデルラント17州は反乱を起こして、オランダ独立戦争(1568年)に突入。1648年のウェストファリア条約で北部7州がようやく独立を果たした。
引用:HUFFPOST

話を戻すと、そのようなことが起因して、彼女のようなデザイナーの活躍する土壌ができたのかもしれない。

 

日本でも複数の業界で働く、業種を横断した働き方ができる企業も増えてきた。一つの考え方というツールにこだわるのではなくクライアント又は、企業の発展とこれから未来を創造していく、柔軟な発想の起爆剤になるのではないかと私は期待しています。

 


参考:一般社団法人心身健康研究所

この記事を書いた人

濱崎 秀範
濱崎 秀範

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